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アイテム詳細
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カスタマーレビュー
おすすめ度:
死体を見つけるまで
(2007-07-11)
1994年に出た単行本『ドキュメント山岳遭難捜索 いまだ下山せず!』の改題・文庫化。後日談や問題点の再検討が書き加えられている。
1986年12月に槍ヶ岳で起きたのらくろ岳友会の遭難事件を扱ったノンフィクション。
著者はルポルタージュ作家であるとともに、のらくろ岳友会の会員で実際の救出・捜索に当たって情報センターの役割を果たした人物。
遭難が判明してからの仲間たちの対応、天候や遭難者の性格を考慮しての救出作戦、やがて救出者のあいだで仲間割れが起こったこと、目撃証言を集めての捜索、死体の発見と迫力ある内容で、グイグイと読まされてしまった。
登山家たちの癖の強さ、当初は捜索方針が思い込みと石頭のせいで間違っていたことなど、反省させられる点が多いようだ。登山関係者はぜひ読んで勉強して欲しい。
文章、表現、構成に難はあるが、非常に興味深い一冊であった。
山岳遭難を扱った書籍の最高峰
(2007-01-27)
昔の遭難記とは別物の読み物です。
記録文学としても完璧に思われます。
遭難発生から8年5ヶ月目に出版され、遭難者の一名が仮名であることから、執筆と発表には相当の困難があったことが窺える。
あるべき論を捨て、批判を覚悟でディテールを書き起こした著者にルポライターとしての実力を見ます。
著者は一旦書き上げた原稿を相当切り捨てたと書かれていますが、その切り捨てた原稿も読みたくなる程
よくぞ、そこまで書いてくれたと思わずにはいれません。
それらが遭難者達の無念を、捜索者達の苦労を、遭難救助に費やした膨大な時間と物量を読者に伝えてくれます。
山歩きする人たちには勉強になることが非常に多く書かれています。
気合いの入りすぎた表現と構成に気が付きますが、私もそこから登り詰めて、見慣れた山々をもう一度眺めてみたいと思いました。
この立場での山岳遭難記録はかつて無かったのでは?
(2006-11-30)
一時期、憑かれたように山岳遭難を扱った本を読んでいたことがあります。
理由は置いておいて、そういう本の読後にいつも思ったのは
「なにか、すっきりしないなぁ」という感覚でした。
当然扱っているコトがコトだけに当然なのですが、たぶんそれは著者が「完全な第三者」か
「遭難の当事者」であることに関係しているのだと思いました。
「取材を元に、組み立てる」か「自分の経験を元に、組み立てる」
それぞれ良書はあるものの、”山岳遭難”という圧倒的事実が主題となってしまい、
残された者達の視点で語られた「それから」についてはこの本が愁眉と思われます。
著者は、自ら創立した山岳会のOGです。
この本は「遭難の可能性がある」という一報から始まります。
遭難したメンバーは、著者からみてもよく知る人物。
そして、慌ただしい対策本部の設営に始まり、混乱を極めた初期段階。
そして捜索活動の開始と中断、再開までの葛藤や人間模様など、
「第三者でもなく、当事者でもない」という希有な立場で、実に丹念に描き出しています。
特に遭難場所の推定について、執念とも言える事実の追求については、著者のプロフィールを
最後に読んで、この人だから書けたのだなと言えます。
そして、この本の愁眉と言えるのは「ヤマ屋の連帯」というものが、どれだけのチカラを
発揮するのかを余すところ無く描ききっているところです。
遭難したメンバーに対しても、事実は事実としてミスを指摘しつつも、
彼らがいかに魅力的なヤマ屋であったかを、ウェットに偏らずに語っています。
繰り返しになりますが、「その瞬間、何が起きたか」という部分について書かれた本は
たくさんありますが、この本は「その後、残されたものは何をしたのか」について
書かれた数少ない本といえます。推奨します。
山でつながる人々の執念のようなものを感じます
(2005-01-19)
虚飾のない文章で淡々と話が進みます。ノンフィクションですから、事実の重さに圧倒されます。捜索を断念したのち、遺体を家族に返そうとする山男(女)たちの行動に言葉を失いました。私は山には登りませんが、これだけ人の絆を強くする『山』にとても憧憬をいだかせる、そんな小説だと思います。
おすすめ度:
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1994年に出た単行本『ドキュメント山岳遭難捜索 いまだ下山せず!』の改題・文庫化。後日談や問題点の再検討が書き加えられている。
1986年12月に槍ヶ岳で起きたのらくろ岳友会の遭難事件を扱ったノンフィクション。
著者はルポルタージュ作家であるとともに、のらくろ岳友会の会員で実際の救出・捜索に当たって情報センターの役割を果たした人物。
遭難が判明してからの仲間たちの対応、天候や遭難者の性格を考慮しての救出作戦、やがて救出者のあいだで仲間割れが起こったこと、目撃証言を集めての捜索、死体の発見と迫力ある内容で、グイグイと読まされてしまった。
登山家たちの癖の強さ、当初は捜索方針が思い込みと石頭のせいで間違っていたことなど、反省させられる点が多いようだ。登山関係者はぜひ読んで勉強して欲しい。
文章、表現、構成に難はあるが、非常に興味深い一冊であった。
山岳遭難を扱った書籍の最高峰
昔の遭難記とは別物の読み物です。
記録文学としても完璧に思われます。
遭難発生から8年5ヶ月目に出版され、遭難者の一名が仮名であることから、執筆と発表には相当の困難があったことが窺える。
あるべき論を捨て、批判を覚悟でディテールを書き起こした著者にルポライターとしての実力を見ます。
著者は一旦書き上げた原稿を相当切り捨てたと書かれていますが、その切り捨てた原稿も読みたくなる程
よくぞ、そこまで書いてくれたと思わずにはいれません。
それらが遭難者達の無念を、捜索者達の苦労を、遭難救助に費やした膨大な時間と物量を読者に伝えてくれます。
山歩きする人たちには勉強になることが非常に多く書かれています。
気合いの入りすぎた表現と構成に気が付きますが、私もそこから登り詰めて、見慣れた山々をもう一度眺めてみたいと思いました。
この立場での山岳遭難記録はかつて無かったのでは?
一時期、憑かれたように山岳遭難を扱った本を読んでいたことがあります。
理由は置いておいて、そういう本の読後にいつも思ったのは
「なにか、すっきりしないなぁ」という感覚でした。
当然扱っているコトがコトだけに当然なのですが、たぶんそれは著者が「完全な第三者」か
「遭難の当事者」であることに関係しているのだと思いました。
「取材を元に、組み立てる」か「自分の経験を元に、組み立てる」
それぞれ良書はあるものの、”山岳遭難”という圧倒的事実が主題となってしまい、
残された者達の視点で語られた「それから」についてはこの本が愁眉と思われます。
著者は、自ら創立した山岳会のOGです。
この本は「遭難の可能性がある」という一報から始まります。
遭難したメンバーは、著者からみてもよく知る人物。
そして、慌ただしい対策本部の設営に始まり、混乱を極めた初期段階。
そして捜索活動の開始と中断、再開までの葛藤や人間模様など、
「第三者でもなく、当事者でもない」という希有な立場で、実に丹念に描き出しています。
特に遭難場所の推定について、執念とも言える事実の追求については、著者のプロフィールを
最後に読んで、この人だから書けたのだなと言えます。
そして、この本の愁眉と言えるのは「ヤマ屋の連帯」というものが、どれだけのチカラを
発揮するのかを余すところ無く描ききっているところです。
遭難したメンバーに対しても、事実は事実としてミスを指摘しつつも、
彼らがいかに魅力的なヤマ屋であったかを、ウェットに偏らずに語っています。
繰り返しになりますが、「その瞬間、何が起きたか」という部分について書かれた本は
たくさんありますが、この本は「その後、残されたものは何をしたのか」について
書かれた数少ない本といえます。推奨します。
山でつながる人々の執念のようなものを感じます
虚飾のない文章で淡々と話が進みます。ノンフィクションですから、事実の重さに圧倒されます。捜索を断念したのち、遺体を家族に返そうとする山男(女)たちの行動に言葉を失いました。私は山には登りませんが、これだけ人の絆を強くする『山』にとても憧憬をいだかせる、そんな小説だと思います。
